手順1:描画準備
●支持体の選択
まず、フレスコ画を何に描くかを決めます。支持体は吸水性のあるものでなくてはなりません。例えばレンガ、木、ブロック、石、陶板、石膏ラスボード、木毛板、セメントボード等です
『祥雲図』を描いた会館の吹き抜けホールの壁面には、吹き付けリシンが施されていました。その表面を削り取って樹脂系下塗り用石灰と砂を混ぜて地塗りをし、乾燥させてからその上にフレスコを描きました。
●下図(カルトーネ/cartone)制作
フレスコは壁面への描画作業に入ってしまうと構図の変更などができないため、下絵の段階で完全に構想を練り上げる必要があります。
カルトーネとは実物大の下絵のことで、小さい下絵をデッサンしたら画面を実寸まで伸ばします。模写の場合は図版を拡大します。次にこの紙に描かれたアウトラインに沿って線香や、目打ち、くぎ等で穴をあけます。目打ちなどを使った場合は紙の裏に出たバリ(でっぱり)をサンドペーパーでこすって落としておきます。
●ジョルナータ(giornata)の決定 ジョルナータとは壁が乾かないうちにできる仕事量を決ることです。 ジョルナータの線は絵の上方から順に、出来るだけゆるやかで、距離は短く、絵の流れを切らない所で決定します。このラインをあらかじめ下図に書いておきます。 |